新規獲得の割引率、どこまでならリピーターになってくれるか考えてみた

割引をして新規のお客さんを獲得する。

ECでは昔からよくある施策です。

10%OFF、20%OFF、30%OFF。
楽天スーパーSALEなどでは半額商品も珍しくありません。

ただ、以前からひとつ気になっていることがあります。

「割引率を高くすればするほど、本当に新規顧客獲得として優秀なのか?」

もちろん、その場の注文数だけを見るなら割引率は高いほうが有利です。

でもECで本当に欲しいのは、

「安かったから1回買ってくれた人」

ではなく、

「一度買って、その後も通常価格で戻ってきてくれる人」

ではないでしょうか。

そこで今回は、

新規獲得のために割引しても、リピーターとして戻ってきてもらえるギリギリの割引率はどのあたりなのか?

を考えてみます。

※食品やアパレルなど、購入頻度・季節性・セール文化の影響が特に大きいジャンルはいったん除外して考えます。

目次

50%OFFのお客さんは、なかなか戻ってこない

これは完全に自分の経験則ですが、50%OFFで獲得したお客さんが、その後通常価格でリピートしてくれる割合はかなり低いと感じています。

理由は単純です。

通常13,000円の商品を、

「初回限定6,500円」

で購入したとします。

商品そのものには満足してもらえたとしても、次にサイトを訪れたときに表示されるのは13,000円です。

お客さんからすると、

「前回6,500円で買ったものが13,000円になっている」

という感覚になります。

企業側からすると、

「初回だけ半額だった」

なのですが、

購入者側には6,500円が最初に体験した価格として記憶されるわけです。

すると通常価格がものすごく高く感じてしまいます。

半額セールで商品を知ってもらうことには成功しても、通常価格のお客さんを増やす施策にはなっていない可能性があります。

では10%OFFならいいのか

逆に10%OFF程度なら通常価格とのギャップはかなり小さくなります。

13,000円の商品なら11,700円。

これなら次回13,000円になっていても、

「まあ今回はクーポンがないから仕方ないか」

くらいで購入してもらえる可能性はあります。

ただし今度は別の問題が出てきます。

新規のお客さんを動かすには少し弱い。

知らないお店の商品を初めて買うというのは、それだけで心理的なハードルがあります。

10%OFFでは、

「今買ってみよう」

という理由として弱いケースもあるでしょう。

つまり、

新規獲得力とリピート率は、ある程度トレードオフなのではないか

と思っています。

個人的には「23%OFF」あたりが境目ではないか

ここからはかなり個人的な仮説です。

自分はその境目が、20〜25%OFFくらいではないかと考えています。

さらに数字をひとつ置くなら、約23%OFF。

なぜ23%なのか。

すごく単純な例で考えてみます。
通常価格が130円の商品を、初回100円で販売するとします。

130円 → 100円なので、約23%OFFです。
100円ならかなり買いやすい。

でも、一度100円で買ったあとに130円になったとしても、

「130円なら絶対買わない」

というほどの価格差でもありません。

この距離感が面白いと思っています。

100円と130円の距離

これが100円と200円ならどうでしょう。

一度100円で購入したものが次回200円なら、

「倍になった」

という印象になります。

かなり抵抗があります。

100円と150円でも50%増し。

これも結構大きく感じます。

でも、

100円 → 130円。

30円高くなるものの、商品自体を気に入っていれば、

「まあ130円でもいいか」

となる人はそれなりにいる気がします。

これを逆算すると、

130円の商品を100円で販売した場合の割引率は約23%。

だから自分の中では、

「新規獲得力を持たせながら、通常価格への復帰も狙えるギリギリのラインが23%前後ではないか」

という仮説があります。

割引率ではなく「次回価格との距離」を見る

割引施策を考えるとき、

「何%OFFなら売れるか?」

だけを考えがちです。

でもリピートまで考えるなら、

初回購入価格と通常価格の距離

もかなり重要なのではないでしょうか。

例えば10,000円の商品なら、

50%OFF → 5,000円
30%OFF → 7,000円
23%OFF → 7,700円
20%OFF → 8,000円
10%OFF → 9,000円

となります。

初回5,000円だった商品を次回10,000円で買うのと、

初回7,700円だった商品を次回10,000円で買うのでは、

かなり印象が違います。

割引率を上げればCPAは下がるかもしれません。

しかしその代わり、

通常価格に戻した瞬間に顧客が離れるのであれば、本当に「顧客獲得」と呼べるのか。

ここは考えてみてもいいポイントだと思います。

本当に見るべきなのはF2転換率

結局、この仮説を確かめるなら見るべき数字は初回購入件数だけではありません。

例えば、

10%OFFで獲得した顧客
20%OFFで獲得した顧客
25%OFFで獲得した顧客
30%OFFで獲得した顧客
50%OFFで獲得した顧客

それぞれについて、

30日・60日・90日後のF2転換率

を比較する。

さらに可能なら、

2回目購入時の割引利用率
2回目購入までの日数
LTV
初回値引き額を含めた顧客獲得コスト

まで見ていく。

そうすると、

「一番新規注文が取れた割引率」

ではなく、

「最終的に一番多く通常顧客を残せた割引率」

が見えてくるかもしれません。

23%は正解ではなく、検証してみたい仮説

もちろん、

「23%OFFなら必ずリピーターになる」

という話ではありません。

商品単価、競合価格、購入頻度、ブランド力によって結果は大きく変わるはずです。

ただ、

50%OFFは安すぎて通常価格に戻れない。
10%OFFでは新規客を動かすには弱い。
その中間に、獲得数とリピート率がバランスする地点がある。

という考え方自体は、かなり重要だと思っています。

そして自分の感覚では、そのポイントが20〜25%。

その中でも、

「100円で買ったものを次回130円でも買えるか?」

と考えたときの約23%という数字が、妙にしっくりきています。

実際の購入データを使って割引率別にF2転換率を出してみたら、この仮説が合っているのか。

それとも全然違う結果になるのか。

これは一度ちゃんと検証してみたいテーマです。

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